劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE
ストーリー
7年前〜1999〜
突如として飛来してきた隕石。
渋谷では瓦礫に埋もれた少年と少女が互いに手を伸ばしますが少女が力なくうなだれてしまいます。
そして全世界は巨大隕石により海が干上がり謎の生物ワームの脅威に晒されていきます。
しかし人類には切り札としてマスクドライダーシステムがあります。
ガタック、ザビー、ドレイク、サソードがワームを次々に蹴散らしていきます。
現在〜2006〜
東京の町を歩く天道。
「待て!この先はZECTとネオZECTの交戦地帯だ!」
これ以上は危険だと加賀美が制止します。
しかし意に介さない天道。
その先では織田、大介、修羅が大和、矢車から追撃されています。
「ネオZECTの残党はお前たちで終わりだ!」
「待ってください、俺たちの敵は仲間同士で戦うことでじゃないはずです!」
加賀美が本来は身内同士であるはずの二つの組織の衝突を止めようとします。
その言葉に打たれたのか大幹部であるはずの大和は旧知の間柄である織田に土下座しZECTへ帰ってくるように懇願します。
しかしZECTに心底嫌気がさしていた織田は大和を踏みつけZECTという権力への叛逆を明確に表示します。
「ッッ!やはり貴様らは俺が躾けなけらばならないようだな……!」
「最初からそう言えばいいものを!」
かつて同じ道を歩んだ銀と銅のライダーは互いの譲れぬ信念をかけてぶつかり合います。
そしてそれに呼応し加賀美、矢車、大介も変身します。
二組の戦いが進んでいく中へ一人の男が近づいていきます。
そして五人のライダーが見守る中カブトへと変身します。
得体の知れない敵の接近に加賀美が、大介が、矢車が順に攻撃を仕掛けますが一蹴されます。
「おばあちゃんが言っていた。俺は天の道を行き全てを全てを司る男だと。ZECTとネオZECT、俺を味方につけた方に俺という太陽は輝く」
ところ変わってネオZECTの本拠地へ
「あの男信用できるのか?」
天道を味方につけた織田へ修羅が問います。
「あの男の目には俺と同じ闇が宿っている」
天道の目を気に入った織田は天道を仲間にすることに決定します。
深夜、ネックレスを片手に物憂げな表情の天道。
そこへ織田が近づきます。
「黄金のライダーを知っているか?」
織田に気づいた天道は問います。
織田の話によると黄金のライダーとは誰もその正体を知りません。
わかる事といえば痕跡に薔薇の花弁を残すだけだそうです。
そして最強のライダーと戦いたいと言う天道を織田はますます気に入ります。
翌日釣りを終えた天道が歩いています。
その時サルでは指輪を片手に加賀美がひよりに迫ります。
「俺と一生のバッテリーを組んでくれないか!」
どうやら加賀美はひよりと七年間付き合い続け告白した模様です。
しかしひよりはバイクのバッテリーが〜とはぐらかします。
天道がサルの玄関へ近づきますがその時二人の客が出てきます。
天道が釣ったサバを見て言います。
「本物のサバだ!サバ食いてぇなー!」
「オメーに食わせるサバはねぇ!」
次長課長でした。
かまわず店内へ入る天道。
ひよりを見て思わず笑顔がこぼれます。
「こいつを料理してくれ」
しかしカブトである天道を見て加賀美が何もしないわけはありません。
天道を店外へと連れ出します。
ネオZECTへ力を貸す天道へ詰め寄る加賀美。
内側からネオZECTを潰す作戦だと天道は加賀美に答え、さらにはその為に加賀美の協力が必要とも言います。
そして…
「お婆ちゃんが言っていた。強きを助け、弱気を挫けってな」
その言葉を聞き激昂する加賀美。
また、後をつけて来たひよりにもその言葉は聞かれます。
「その言葉が本当ならボクは助けてもらえないな」
ZECT本部へ戻った加賀美は天道から持ちかけられた話を大和へと伝えZECTの為に利用する事を提案します。
そして矢車はもう一枚切り札があるので万が一の場合もぬかりはないと言います。
天道は加賀美から引き出した情報である天空の梯子計画をネオZECTへ伝えます。
天空の梯子計画とは軌道エレベーターを使い宇宙ステーションへライダーを送り込み巨大なクロックアップ装置を作動させる計画でした。
そしてその結果移送空間を発生させ氷の塊である水星を呼び寄せ地球へ水を戻すことを目的としています。
ネオZECTはこの計画を自分達が奪うことに決定しました。
その夜加賀美はひよりへもう一度回りくどい言葉など使わずストレートに告白をします。
しかしひよりは拒絶します。
いたたまれない加賀美は寒いだろうから上着を持ってくると理由を付けその場を後に。
「ゴメン…」
呟くひより。
そこへ登場するワームの集団。
ひよりのピンチへ颯爽と天道が駆けつけます。
ひよりを逃がした後は獣のような雄叫びを上げながら悪鬼羅刹の如くワームを蹴散らします。
最後に蚊がモチーフのキュレックスワームも出てきますが怒りに身を任せた天道の敵ではありません。
「ひよりーッ!どこだーッ!!」
姿を消したひよりを捜し走り回る天道。
加賀美も異変に気づきます。
そして倒れたひよりを天道は見つけ抱き上げます。
「病院へ連絡しろッ!早くッッ!!」
駆けつけた加賀美へ天道は指示します。
「そんな…嘘だ……」
絶句する加賀美。
医者から7年前の隕石が原因でひよりの余命が幾許もない事を知らされます。
また、同時にひよりが自分を拒絶した理由がここにあることも察します。
そして天道は全てに無気力になった加賀美の頬を打ち激励します。
「そんなことでひよりを守れるのか?」
そして天道はネオZECTを潰す為に行動することを加賀美に誓います。
「ネオZECTは俺が潰す!」
しかしこの現場を修羅に目撃されていました。
翌日天道はネオZECT本部へさらに天空の梯子計画の情報を持ち帰ります。
ネオZECTへと帰還した天道は不審に思った修羅の手で拘束されます。
「一日一日を二人で精一杯生きよう」
そう告げる加賀美の真摯な態度に心を打たれたひよりはついに残りの命を加賀美と添い遂げる事を決めます。
ネオZECT本部では修羅の天道への執拗な拷問が続きます。
「何をそんなに怯えているんだ?」
体中から血を流しつつもなお修羅を挑発する天道。
修羅の責めは苛烈さを増していきます。
しかし織田が制止し、天道が何を企もうとその全てを自分が抱え込むといい天道を解放させます。
その頃サルにて加賀美とひよりの結婚式の準備が着々と進められていました。
しかし無常にも加賀美の下へと届く大和からの電話。
宇宙ステーションでクロックアップシステムを起動させるライダーに選ばれたのは加賀美でした。
そしてネオZECTが襲撃をしてくる為すぐにも作戦は実行に移されます。
「ひより、ちょっとだけ出かけてくる。すぐに帰ってくるからな」
「おかしいな、誰もいない」
ZECT本拠地で単身陽動作戦を行う大介ですが異変に気づきます。
その時修羅がゼクトルーパー、ネオトルーパーを従え本性を現します。
修羅はZECTの内通者でした。
そして大介は修羅の合図による一斉掃射受け倒れます。
「私はただ…気ままな風になりたかっただけなのに……」
その頃、大和と加賀美は軌道エレベーターにより宇宙ステーションへと向かいます。
「始まったようだな」
大介による陽動が成功したと信じる織田と天道はZECT本部へ突入を開始します。
しかし矢車と修羅に率いられたトルーパー達の一斉掃射を受け行く手を阻まれます。
「これが私の完全なる作戦、パーフェクトミッションだ」
そしてネオZECTがもはや織田と天道の二人だけになったと告げられると織田は怒りに燃えます。
「地上は俺が制する、お前は天空を制しろ!」
織田は天道へ先へ行くことを促し、自身は単身地上へ残る決心をします。
軌道エレベーターが動いている今時間の猶予はありません。
カブトエクステンダーをキャストオフし軌道エレベーターのパイプ内を駆け上がっていきます。
軌道エレベーターを上り終え宇宙ステーションへと辿り着いた大和と加賀美。
二人が進んだ先で見たものはカブトエクステンダーでした。
「遅かったな」
「加賀美、先へ行け…、この蛆虫は俺が始末する……!」
加賀美はクロックアップ装置を発動させるため先を急ぎます。
そして対峙する大和と天道。
二人の下へ二つのゼクターが火花を散らしながら飛来します。
「「変身!」」
二人のライダーはクナイガンでの熾烈な戦いを繰り広げていますがクナイの扱いは大和の方が上のようです。
たまらず天道はガンモードで応戦しますが大和はそれを回避。
しかしその為外壁に穴が開き二人は宇宙空間へ投げ出されます。
このままでは慣性により宇宙空間を彷徨うことになる為二人はクロックアップで対応します。
「黄金のライダーとやらを呼んでみてはどうだ?」
大和では相手にならないと天道は挑発を試みます。
その頃加賀美は装置の起動に成功、移送空間が出現します。
しかし現れたのは水星だけではありません。
水星よりも遥かに大きい巨大隕石までも現れました。
そして水星に衝突、水星は砕け散ってしまいます。
その余波は激闘を繰り広げる天道と大和にも影響を及ぼします。
堪えきれないほどの衝撃を受けた二人はそのまま地球へと落下することになります。
同時刻織田と矢車の熾烈な戦いも終盤に差し掛かりかます。
アックスモードの一撃に体を断たれた矢車は絶命します。
「この私に完全なる死が訪れるとは…」
織田はその勢いのままに裏切り者の修羅へ詰め寄ります。
「まだ我々には大和がいる……!」
しかし頼みの大和は燃え尽きながら地表に激突し憤死します。
「わが魂はァァァアア…ZECTと共にィィィィィィィィィイイイイイ!!!!!」
天道はといえばいつの間にかカブトエクステンダーへ跨り地上へと降り立ち難を逃れます。
またその頃サルではひよりが意識を失っていました。
ZECT本部を彷徨う織田。
その眼前には右手に薔薇を携え正座して待ち受ける黄金のライダーがいます。
黄金のライダーへ襲い掛かる織田ですが、黄金のライダーが薔薇を投げつけた瞬間には倒れこみます。
その一瞬の刹那の内に織田の向こう側へと駆け抜けた黄金のライダー。
倒れこんだ織田の体の上には薔薇が残されるのみです。
「………」
全世界は突如として現れた第二の隕石に騒然としています。
しかし加賀美陸はこんなこともあろうかと宇宙ステーションに隕石を破壊する兵器があることを放送します。
「なぜ裏切ったっ!」
ZECTの計画を裏切った天道へ加賀美は詰め寄ります。
天道は全てはひよりの為と告げます。
「天道、お前もひよりのことが…」
しかし天道は衝撃の事実を告げます。
「ひよりは…俺の妹だ……」
そして加賀美の下へ弓子さんから電話が入ります。
偶然陸と三島の話を聞いてしまう修羅。
二人の話によると天空の梯子計画は元々第二の隕石=ワームの巣を地球に呼び寄せる計画だったことがわかります。
つまり陸と三島はワームと手を組んでいたのです。
この二人を除く全ZECTメンバーが真の計画を知らず欺かれていました。
そして会話を聞いてしまった修羅は命を狙われることとなります。
病院では天道神父による加賀美とひよりの結婚式が行われていました。
天道はプレゼントとして母親の形見であるネックレスを渡します。
しかしひよりは結婚式を全て終えることなくその命を散らしてしまいます。
声にならない声で呻く加賀美。
「ウアァァァァァァァァァ!!!」
廊下へと出た天道は激しく慟哭します。
同時に修羅からの電話が入ります。
「俺達は…騙されていた……」
傷つきながらも修羅は最期の力を振り絞り天道へ計画の全容を伝えます。
翌日二人は最後の決戦へ向けて宇宙ステーションへ向かいます。
行く手にはワームの集団が待ち受けていますがひよりの死という怒りと悲しみを抱いた二人の敵ではありません。
軌道エレベーター内のパイプを駆け上がり二人は宇宙ステーションへ急ぎます。
宇宙ステーションの一部が切り離されミサイルとして隕石へ放たれます。
何とかその内部へと間に合った二人ですが、その内部は薔薇の花弁で満たされていました。
そして黄金のライダー=コーカサスへと変身する黒崎と二人は対峙します。
生身では圧倒されたので二人は変身します。
追いかけるように空手の演舞のような動きをした後黒崎も変身します。
「俺達のクロックアップより早い!?」
黒崎の腰にはハイパークロックアップを発動する為のハイパーゼクターがついていました。
二人はハイパークロックアップの前になす術もありません。
そして加賀美が倒れ、黒崎は天道へとハイパーキックを放とうとします。
その刹那、加賀美は天道を庇ってキックを受け黒崎を押さえつけます。
天道は黒崎が身動きの取れない内にエアロックを開けハイパーゼクターを奪います。
そしてライダーキックを放ち黒崎を宇宙空間へと投げ出すことに成功します。
ハイパーキックを受けた加賀美は瀕死の重症です。
天道は加賀美を脱出ポッドに乗せ地上へと送ります。
そして自身はハイパーゼクターを装着しハイパーフォームへとパワーアップを遂げます。
『ハイパーキャストオフ』
地上へと向かう脱出ポッド。
しかしその脱出ポッドには黒崎が取り付いていました。
そして脱出ポッドの窓は破壊され内部が真空状態になり加賀美を死亡します。
「……………ッ!!!!」
「ハイパークロックアップ」
ハイパーゼクターの力は時間すらも操ることが出来ました。
破壊したはずの脱出ポッドが健在なことに驚く黒崎。
「まさか…時間をまき戻したのか!?」
『マキシマムパワー』
「ハイパーキック!!」
黒崎はハイパーフォームの必殺の一撃を受けミサイルへと衝突し壮絶な最期を遂げました。
「ちょっと七年前へ行ってくる」
ハイパーフォームの力の全てを使い天道は迫りくる隕石と共に消え去ります。
世界は白く染まっていきます。
「我々は間違っていたのか…?」
呟く陸。
世界は白に抱かれていき全ての人間が消滅していきます。
7年前〜1999〜
突如として飛来してきた隕石。
天道はその隕石と7年後の隕石をぶつけ合い砕くことにより隕石を小さくします。
渋谷では瓦礫に埋もれた少年と少女が互いに手を伸ばします。
少年は少女を助けようにも瓦礫が邪魔で動けません。
「これを使え」
天道は幼き日の自身にベルトを与えます。
そしてその力で幼き日のひよりを救います。
現在〜2006〜
芝生の上で妖精の絵を描くひより。
その顔にはもう一つの未来での儚げな表情はありません。
※ストーリー及びセリフはうろ覚えのため間違えまくってるんじゃないかと。
キャラクター
天道総司…仮面ライダーカブト。TV版の落ち着いた天道とは一転して感情を表に出すことが多い。そのワイルドさが新鮮だったかも。
加賀美新…仮面ライダーガタック。加賀美は天道とは逆に熱血バカであるところが少し抑えられて落ち着いた印象を受けた。ひよりとは7年間付き合い続けた仲。
日下部ひより…7年前の隕石落下により余命幾許もない状態。やはりTV版と違う部分があり他人嫌いなところがないように思う。天道の妹らしい。
北斗修羅…ネオZECTの裏切り者。劇中では天道に焦りを指摘されるまで不審な点はなかったような気がする。
黒崎一誠…仮面ライダーコーカサス。アクションはさすがの一言。ただし滑舌が悪いためセリフを聞き取りにくかった。その為せっかくのキザなセリフを存分に楽しめず残念。
織田秀成…仮面ライダーヘラクス。どこまでも真直ぐで熱い人。最初こそ危ない人に見えたが彼の地球を憂う気持ちは本物だったはず。
大和鉄騎…仮面ライダーケタロス。どこまでも寡黙で冷徹な人。最初こそ少し腰の低い人に見えたがショッカーの幹部を彷彿とさせるキャラクターは素晴らしかった。
矢車想…行動理念は完全作戦=パーフェクトミッション。やはりTV版と違い部下想いな一面は描かれず策士、軍師と言ったポジションのキャラになった。
風間大介…気ままな風を愛する男。TV版と違い女好きな一面は描かれていない。その為より一層風のようなイメージを受ける。
加賀美陸…ショッカー首領のようなイメージ。
三島正人…同じくショッカーの幹部のようなイメージ。
田所修一…オペレーターA。
岬祐月…オペレーターB。
天道樹花…もう一つの現在にのみ登場。つまりTV版と同じ。
仮面ライダーサソード…冒頭数秒だけの存在。もしかしたらDC版で出番が増えるかも?
感想
まず間違いなく劇場版はTV版へと繋がる展開。劇場版天道は海が干上がりひよりが死ぬという最悪の結末を回避するべく7年の歳月を遡った。
また天道は劇中でどうあっても黄金のライダーと戦おうとする意思が感じられる。それは最終目標がハイパーゼクターの奪取によるタイムスリップの為かな。最初っからZECTもネオZECTも眼中になくハイパーゼクターを手に入れる最も効率の良い方法を常に選択し続けてたのかも。
TV版でひよりが描く妖精がハイパーカブトだったってのは予想してなかったから意外だった。しかしひよりが天道の妹なら樹花の存在がどうなのかってことが新しい問題よなぁ。
そして劇場版とTV版の違いを考えた時に劇場版には存在しない影山=ザビーと神代=サソードが何かしらZECT打倒の重要なキーパーソンになるのかなとも思う。
自分の予想はすぐ外れるけどこれだけはかなり自信があるかな。
今作の見所としてはやはり織田と大和。二人とも天道、加賀美と密接に絡み中盤までのストーリーを常に引っ張って行ったように思う。
個人的に一番好きなシーンは世界が白に包まれるところ。何とも言い難い儚さを感じた。
逆に残念なところはラスボスである黒崎の強さがハイパーゼクターというアイテムに頼り切ったものだったこと。
とはいえ自分の中では間違いなく劇場版平成ライダーでトップクラスに楽しめた作品だった。